お葬式・お墓・供養とは

1,お葬式は必要でしょうか?

 肉親が亡くなられて・・お葬式を・・と考えます。 近年、葬式不要、直接火葬場へ。ご遺骨も火葬場で処分を・・という「0葬」なる言葉も生まれました。 当たり前の表現ですが、お葬式は故人への感謝と来世(浄土)への往生を願う遺族が最後にしてあげられる儀式です。 お生まれになり、多くのご縁で一生を過ごされました。ご縁を頂いた方にお別れをしたいという方は多くおられます。 しかし、子供さんは故人のご縁を知らないのです。

 あるお葬式で「家族・親族葬を」とご遺族からの願いがありました。 「故人は地域活動で熱心に貢献されたんですよ。皆さんは都会生活で知らないでしょう。派手にする必要はありませんから、皆さんにお参り頂ける普通のお葬式にされては・・。公開の葬儀にしようが非公開の葬儀にしようが会場の費用は大して変わりません。」と提案しました。ご遺族はその旨を理解して頂き、普通の葬式をされました。すると会場に入りきれないほどのお参りがありました。葬儀後、「豊かなご縁で故人の人生が幸せだったことを知りました。」とのことでした。 生前の知らないことを知ることができ、改めて故人のことを理解するのです。    

 また、お年寄りは「子供に迷惑をかけたくない・・。」と多くの方が思われる傾向にあります。その結果「私が亡くなっても家族で送ってくれれば良いよ・・」とお話になります。その意志を継ごうとご遺族は「家族葬」を固持される場合もあります。お葬式が終わって故人のお友達やお勤め先の仲間が香料を送ってこられたり、お悔やみが後を絶たない・・ということもあるのです。その思いは故人からよくして頂いたので最後のお礼・お別れがしたい・・とか、故人からうちの親に香料を頂戴しているのにお返しできない・・という相手方の思いが強いからなのです。 故人は最後の最後まで子供さんに気を遣われるのですが、先ほどの例同様、普通のお葬式をされることが、遺族にとっても縁者にとっても整理のつく見送りかたなのです。

 

 アメリカインデイアンの人生訓に「生まれた時は、周りのみんなが笑って、私一人が泣く。死んだ時は、私一人が笑って、周りのみんなが涙する。」という言葉があります。

2,お墓・散骨・樹木葬はどうでしょうか?

 ご先祖捜しにお寺を訪ねてくる方があります。それも若い方が訪ねてこられます。 私たちは生を受けているのですから、命のバトンパスが自分まで続いているのです。記録が有るか無いかです。 自分までの命のバトンパスを知りたいと来られます。「ここがあなたのご先祖のお墓です。お寺の過去帳にはこの様な記録が残っています。」とお伝えすると安心され、「これからも供養をします。」とお帰りになります。 お墓の由来は、日本では1万年前くらいにさかのぼります。共同生活をしていた人が亡くなってもそれ以前はそのままにしておいたのです。 1万年ほど前に、共同生活者が亡くなると、かわいそうだ・・土に埋めて弔おうというようにお墓が造られたのです。 これは人間にかわいそうだとか、しのびないという心が生まれた証拠です。

 散骨は海への散骨が取りざたされています。 散骨は故人の願いが多いのでしょう。その願いは葬儀や墓守など「子供に迷惑をかけたくない・・。」というお気持ちから希望されるのかもしれません。 海への散骨といっても海岸線にするのは海岸を利用する人に迷惑がかかります。沖合での散骨になります。故人の遺言でそうしたけれど、後になってお参りしたくてもその海域に行くのが大変です。船を仕立てて行くには高額な費用が必要です。 遺族は心情としてその場に行きたいと思うのです。 遺族や末裔の立場になると、近くにご先祖が休まれているお墓の方が、ここに眠っているという実感があり、そのことが大切なのです。 お亡くなりになって、家族や親族、友達が故人に会いたいなと思うのです。お墓や納骨堂が会いに行き易い所なのです。 散骨は避けるべきだとお話しします。

 樹木葬はその木の成長に生命の還元を想起します。しかし、昨今の異常気象で木が枯れることもあります。その時の遺族の思いはどうでしょうか・・。 樹木葬も避けるべきではないでしょうか。

3,供養とは

「供養」という言葉をよく使います。 「供養」とは、感謝する気持ちを表すことです。 法事のことを正しくは追善供養といいます。法事の冒頭で次のようなお話をしています。「NHKの朝ドラ『まっさん』の最後のお話です。最終回の1つ前にエリーさんが息を引き取る時、私のことを忘れないで欲しい。と言い残されました。最終回はエリーさんからご主人まっさんへのお手紙の中で、『あなたが寝る時に私にお休みといってね。私もお休みといって眠るから・・』故人の願いは、忘れないでほしい。そして、いつまでも家族とコミュニケーションをとっておきたい・・です。まさに法事・供養の意義なのです。」

4,永代供養納骨堂とは

お墓を造ることがどうしても出来ない。また、墓守を継ぐものがいないとか、墓仕舞いをお考えの方、ご先祖のご遺骨を大切にしたい・・とお考えの方は納骨堂に納めるのも良い供養の仕方です。

(納骨堂「日光殿」ご案内をご覧下さい。)