住職より -思いと活動-

住職の思い

 
住職

妙勝寺住職の大岩淸人と申します。 妙勝寺ホームページをご覧頂き有り難うございます。

 「お坊さんの修行は大変なんでしょう?」と尋ねられます。 「お坊さんの修行は毎日の生活そのものが修行です。皆さんも毎日の生活を通して、色々と経験されるでしょう。皆さんも人生修行されているんです。」

 佛道修行と人生修行の違いは何でしょうか・・。

  お釈迦様は、29歳で出家されました。シャカ族の王子という恵まれた生活を自らお捨てになり、皆さんの施し(布施)で生活するという乞食の生活をされたのです。 その中で、皆さんの心の温かさや人生修行で培われた智慧を感じられたと思います。 皆さんが心と智慧をもっておられるのに、どうして欲にかられ、日々悩んだり、動揺したりと不安な毎日を送られるのだろうか・・。と 日々を穏やかに生きる教えを説かれたのです。 それがお経です。

 お経の教え(一語・一節)に従って生きるのが佛道。 単に、生きるのが人生です。

 私たちの幸せは何だろうか?と考えた時、自分の願いが成就した時もさることながら、人が喜んでくれることで幸せだな~と思います。私たちは人を喜ばせ、幸せにするために生まれてきたといえます。人を喜ばせ、幸せにすることを菩薩行といいます。つまり、お経の教えに従って生きる(佛道)ということは菩薩行なのです。

 佛道と人生の違いはこの思いがあるか無いかです。

 生活を通して、色々なことを感じます。 感性を育み、感受性を培いたいと思います。 感受性を「佛心」と言い換えることが出来るでしょう。 「佛心」は「慈悲の心」です。

 人間社会に生きる上で、様々なことがあります。 こんな人がおられるんだ・・。すごいな~・残念だな~。 人は鏡です。

 ありきたりで淡々とした生活に幸せを感じられたら良いなと思います。

 いつも幸せ探しの生活(修行)です。

住職の活動

お釈迦様の教え・佛事を少しでも理解してもらおうという姿勢で活動しています。

詳しくは、妙勝寺通信「法の光」・ブログをご覧下さい。

 

【住職より】

2023年2月28日
2月晦日

雲一つ無い青空。 7:30頃に小学生がランドセルの音をならしながら、明るい声で登校していきました。 穏やかな良き日の始まりを感じました。

2023年2月16日
墓無い=儚い=心無い

檀家さんを通じて色々な経験をさせていただきました。 家が続くことは当たり前のように思っていました。しかし、これは大変なことなのです。 これを乗りきるのに養子縁組で維持された歴史があります。 現代、家の継承は薄れています。 その結果が墓仕舞いでしょう。 墓仕舞いは継承者の問題と次の世代に負担を掛けたくないという理由からです。 私は常々心を育むのが佛教の大切な教えと話します。 日本人の心は約8000年前に芽生えたと推測されています。それは、お墓の出現によります。人が亡くなって可哀想にという感情や大切な人を葬るという思いです。 私たちが心を育むとはご先祖に手を合わせることだと思います。 その墓が無くなっていきつつあります。子孫が居るにもかかわらずです。 心を育むとはどういうことかを深く考えていないのです。 墓無い人生=儚い人生=心無い人生 になるのではないかと危惧します。 心を育むのは一生です。 今私たちが生きているということは、ご先祖が人類誕生にまでさかのぼるということです。命のリレーに感謝です。 青年がお寺にご先祖捜しに来られます。 「親はあまり関心がないようです。私はルーツを探したいのです。親には話していません。」 この様に親子でも感性は違います。 親の知らないことが沢山あります。 子供のことについても知らないことがあって当たり前です。人間性が違うのですから。 お墓が負担になる・・どう負担なのでしょうか? お墓参りですか。お墓の維持費ですか。 それより、お盆やお正月に墓参りする事で得ていることがあるように思います。 今墓仕舞いするのにもお金はかかります。 なら、次の世代にお墓とお金を渡せば良いのです。

2022年6月30日
灼熱地獄

連日、猛暑がトップ記事になる異常な気候です。 雨のない梅雨、猛暑の6月 日本の四季は狂っています。 唯々、辛抱するしかありません。 炎天下、がんばってみても、熱中症から死に至っては・・批判されるのが落ちです。 炎天下の道路は70度に熱せられています。 犬の散歩も道路が冷えてから・・犬も灼熱地獄です。 夕涼みも昔の風情となりました。 打ち水も雨の少ない梅雨を考えると止めました。 灼熱地獄の中のお盆の棚経をどう乗り越えようか。  

2022年1月1日
賀正

明けましておめでとうございます。 昨夜の除夜の鐘は雪が降る中の鐘撞きでした。 雪が降る中、撞きに来て下さるだろうか・・ それが、降る雪の中多くの方が撞きに来て下さいました。 コロナ禍で自由に振る舞えない現状で、鐘撞きをして新年を迎えようと来て下さったのでしょう。 ありがとうございました。

2021年11月12日
お寺で七五三

11月初旬「孫の七五三祈願をお願いします。」とお電話。 「文殊菩薩・鬼子母神に身体健全・発育増進・智慧明瞭の祈願を致します。」と当日を迎えた。 着物袴でかっこいい男の子に変身。 「小さいお子さんですので長いのは飽きるでしょう。お経を早く読みますね。」 お経を早く読み始めると、そのリズムに合わせて身体を動かしているのが伝わってきた。 切り火をし、お経頂戴をして、お守りとお菓子を授与して終了。 「楽しかった~」と男の子が笑顔で第一声。 お母さんが「お経のリズムに合わせて、楽しそうに身体を動かしていました。良かったです。」家族にとっても良い七五三になったことでしょう。

2021年10月1日
草引きの毎日で腰痛

コロナ禍、夏の長雨で草は伸びるし時間はあるし。草引きに精を出し徐々に綺麗になる風景に少し満足。 所がである。草引きの体勢から立とうとすると腰が伸びない。と年を感じながら引き続き草引き。 とうとう立とうとすると少し痛みが・・それは日常生活にも波及し始めた。腰を回しても痛みが・・体操をしても痛みが・・ マッサージへ行くと“カッチカチ”ですよ。もみほぐしてもらうと足への血行が良くなり熱くなってきた。これで治るかな~ いや治っていない。 まてよ。腰骨がおかしいのかな~と背筋を伸ばし、腰骨を上へ前へ動かして立ち上がった。 痛みが無い。この姿勢だ。 それ以来、背筋ピ~ン 腰骨を前へ するとどうでしょう。痛みは消えた。 草引きの姿勢で腰骨が後へ行き、立ち上がる際に神経に悪さしていたのでしょう。でも困った。背筋ピ~ンで草引きは出来そうに無い。 どうすれば出来るか色々試してみます。続きをお楽しみに。

2021年1月14日
明けましておめでとうございます。

令和3年を迎え、早々にコロナ緊急事態宣言が兵庫県にも発令されました。窮屈な生活を余儀なくされます。日本のみならず世界が同じ境遇です。観光産業を始め飲食業の大変な状況があります。その裏に食材を納入していたり、生産されている農家の人にとっても大打撃です。一つの業者の裾野は広く国全体が経済的にも大変です。 ワクチン接種が進み、外出が出来るようになることを望みます。今暫く耐える時期でしょう。 日蓮聖人の教えに「世間の留難(るなん)来(きた)るとも、とりあえ給(たも)うべからず。賢人聖人(けんじんせいじん)もこの事はのがれず。ただ女房(にようぼう)と酒をうち飲(の)みて、南無妙法蓮華経と唱(とな)え給(たま)え。苦をば苦と悟(さと)り、楽(らく)をば楽とひらき、苦楽(くらく)ともに思い合わせて、南無妙法蓮華経とうち唱(とな)え居(い)させ給(たま)え。」という御遺文をかみしめ、冷たき冬を乗りきりましょう。春はもうすぐやって来ます。

2020年7月15日
2020年 7月 全国水害の被災者の皆さんにお見舞い申し上げます

日本各地で大雨・洪水で被災された方に、心よりお見舞いと義捐金をしたいと思います。 お寺のある兵庫県の播磨北西部地域では2009年8月9日に台風9号の接近にともない線状降水帯が発生し、佐用町から宍粟市北部に大雨をもたらしました。檀家さんの家も床上浸水となり、大変な思いをされました。今回の人吉市の映像を見ると多くのことが呼び起こされます。 人吉市は球磨川と共存してきた街です。夏には球磨川の大鮎を売りに食べ物屋さんや旅館が人気なところです。 被災された名物居酒屋のご夫婦は「もうお店を閉めます。復興するだけの力がありません。」と泥まみれの店の片付けをされ「綺麗にしてお店を返さないとね~」とお店への愛着がにじみ出ていました。近所の人が「お位牌見つかったよ。あそこの玄関先にあるよ。」と泥に汚れた繰り出し位牌を手にとって「良かった~ご先祖に申し訳ないからね。」と汗をぬぐいながら目頭を押さえられました。 今夏の梅雨は異常な線状降水帯が発生したと気象庁は発表しました。復興には時間がかかります。熱い日差しとの闘いが待っています。 遠くから被災された皆さん、復興に手を貸されているボランテイアの皆さんの健康を祈って経を読みお釈迦様・日蓮聖人のご加護を願うばかりです。

2020年3月7日
新型コロナウィルス

新たなウィルスの出現に世界が戸惑っています。侮っていたのでしょう。 世界経済がウィルスに冒されています。ここまで影響があるとは世界の指導者も思っていなかったでしょう。 この想定外の出来事で、日本の危機対応策の無さが表面化しました。もっと危機管理が出来ていると思っていたのですが・・ マニュアル文化にもかかわらず、マニュアルがしっかり出来ていなかったのでしょうか。 日本のブレーンはもっと先読み出来ていると思っていたのですが、残念な結果です。 首相の思いつき政策でなにやら日本の薄っぺらな組織が見えてしまいました。 頭の良い政策担当ブレーンが見えてきません。 ぼやきはこのくらいにして、災い転じて福と成す。今回の出来事から国としてどう成長するか・・目先の選挙や支持率回復など出たとこ勝負では無い、日本の目指すべき進路を見いだしてほしいものです。

2019年3月29日
巣立ちの春

3月下旬、山崎も桜が開き始めました。 末娘が大学へ進学の為、名古屋へ。 長男は名古屋の大学院を卒業し、飛行機会社就職の為に東京へ。 次男は横浜の大学であと二年。 我が家は新婚当時の二人に。(その時は父がいましたから三人でした。) 家の変化を感じています。  

2018年12月28日
呉市でお葬式。そして歴史探訪

DSC_0343 広島県呉市に行ってきました。 お葬式を執り行いました。 この地域は「安芸念仏」といって浄土真宗の多いところだそうです。 村上水軍の影響でしょうか。 海上自衛隊の基地があるとはいうものの、穏やかな良い町でした。 江田島の海軍兵学校跡にも車を走らせ見学してきました。 海軍カレーを食べてきました。

2018年10月31日
ハロウィン

ハロウィンが仮装大会になっていますね。 田舎に住んでいると別世界です。ハロウィンが日本のお盆と同じ先祖供養という北欧の行事だそうですね。 子供中心の行事から日本では若者の仮装大会になって羽目を外すことになりました。 そういえば盆踊りでもお面をかぶって派手に踊る若者もいましたね。それは踊りの輪の中でのことでした。 仮面をかぶって日頃の自分とは違う面を演ずる日なのでしょう。役者の面白さに通じるのかもしれませんね。 迷惑を掛けずに演じてもらいたいな~

2018年3月1日
厳しかった冬を思う

今年の冬は寒さ(冷え込み)がズ~ッと続いたことですね。例年なら冷え込みがあっても一週間くらいで気温が上がりました。今年は冷たい空気が居続けました。宍粟市の山間部にある音水湖が全面結氷しました。2月の中旬にその氷の上を男性が歩いていました。大丈夫?と思いながら見ていましたが、何事もなく岸に上がり見ている方が冷や冷や。このあたりでは氷点下15度くらいの冷え込みが連日続いたそうです。 その寒さの中、紅梅の花芽が膨らんだかと思うと咲き始め、春近しを感じ、心が少し暖かくなりました。

2017年8月25日
熱中症

暑い中のお盆棚経となりました。 連日檀家さんの家を周り、お経をあげましたが、終盤疲れが取れません。 特に足がとてもだるい。横になっても取れません。 友達の医者に電話。症状を伝えると「熱中症」 「すぐ来い。点滴しよう。」点滴で足は軽くなったものの、 肝臓機能の低下もありました。少し養生期間となりました。

2016年12月10日
韓国の情勢に思う

パク クネ大統領の弾劾が国会を通過しました。国民の憤りが国会議員にも伝わったのでしょう。弾劾が可決した日のニュースを見て一人の韓国人が涙を流しインタビューに答えていました。「私たちの願いが叶って嬉しいです。」と叫んだ。この人の涙は何だろう・・と思っていた時の叫びでした。 この叫びは私の思いと違っていました。大統領がチェ スンシルに気を許し、大統領としての道義を逸脱した罪は大きいのですが、国民としてこの様な大統領を選んだことに情けない・・という感情が無かったことです。 「この様な大統領を選出したことが情けなく、また、この様に弾劾せざるを得ないことが国民として辛い・・」と、私は考えてしまいます。韓国のお祭り騒ぎに理解に苦しむのです。 国民の一票の責任はどこにあるのでしょうか。

2016年10月30日
鳥取地震お見舞い申し上げます。

地震が起こった時に、兵庫県と鳥取県の県境の宍粟市千種町の中学校体育館にいました。 大きく揺れ、山崎断層かと思ったのです。携帯を見ると鳥取で地震警報の知らせ。 急いで山崎町の自宅へ。TVでその被害状況が映し出されていました。 日を追うごとに家屋被害が拡大しています。避難を余儀なくされている方もおられます。 一刻も早く、応急修理が出来て、我が家で手足を伸ばし横になってもらえることを願います。

2016年8月12日
お盆棚経

檀家のお家を棚経でお参りします。お経の後色々な近況が話されます。 認知症の方が増えてきました。お世話される家族にとって多くの不安があります。 認知症といっても様々な症状があります。 ご苦労の方が多いのですが、その中で喜びもあると話されます。 「世話してくれてありがとう。」の言葉が安らぎになるといわれます。 その後に「親切な介護士さんやね。」に、またチョット落ち込むともいわれます。 同じ境遇の家族は多いのです。 お世話の中で、色々な事を学ばれていると思います。 それを乗り越えた時、人の辛さが分かる感受性(佛心)が育まれる功徳があるのです。  

2016年7月27日
お盆月を迎えます

まもなくお盆の棚経が始まります。 遠方の方とは、一年に一度のお参りの日です。 と同時に、色々お話をし、近況がわかる日です。 大変ですが、楽しみでもあります。

2016年4月26日
熊本地震 被災者の方にお見舞い

大変な被害が出たことに、20年前の阪神大震災を思い起こさせました。 阪神大震災と同じ規模の地震が2度おそったことになります。 加藤清正が築城し、威風堂々と400年の間そびえてきましたが、残念な姿になっています。 加藤清正公の墓所・本妙寺を始め多くの日蓮宗寺院、そして檀信徒の方に多大な被害が生じていることに、心よりお見舞い申し上げます。 妙勝寺としてわずかでも力になれればと義捐金をつのり、支援をさせて頂こうと思います。 よろしくお願い致します。 送金に付きましては、「法の光197-2」をご覧下さい。

2015年12月27日
青天の霹靂(へきれき)

同級生の友達が脳内出血で突然亡くなりました。訃報を聞いて「本間か~」と驚きました。 価値を共有出来る世界から旅立ったのです。 同級生の仲間でお悔やみに行き、お経を上げました。 眠るが如く横たわる姿は、呼びかければ答えるが如くです。 しかし、答えは返ってきません。 コミュニケーション出来ない事が現実です。 生きていることは価値を共有出来ることです。それはコミュニケーションです。 その夜の弔い酒はことのほか五臓六腑に染み渡りました。 彼と一献出来ない思いと生きている事の素晴らしさを彼は伝えてくれました。 彼とのこれまでの世界を背負って生きようと思います。  

2015年12月22日
長崎へ日帰り

DSC03860 長崎は神戸以上に坂の多い町ですね。住宅も山の斜面上って建てられています。 写真は高台の家の庭からの眺望です。素晴らしいでしょ・・。 小生が高校教師として最初に赴任した東神戸高校の教え子の家の眺望なのです。 一番弟子(教え子)と言えます。 その彼が11月20日亡くなりました。ようやくお参りに1ト月遅れで行くことが出来ました。彼の娘さんが迎えてくれました。 気丈に振る舞って、父の最期の話をしてくれました。7年前に教え子は妻をガンで亡くしています。仕事も順調、子供たちも自立し、娘はまもなく結婚するという矢先の自死だったのです。 妻を亡くした彼は、寂しかったのですが誰にも心の内を明かすことなく、子供たちに「お母さんに会いに行く」という電話を残し旅立ちました。二人の子供も兄弟も友達にも思いもよらない突然の出来事でした。 死ぬことの恐怖より、妻に会いたいという思いが強かったとしか思わざるをえません。 人の思いは、決してわかるものではないのですね。わかっているように思っているだけかもしれません。